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インタビュー第8回(1) 山口絵理子さん


バングラディシュの名産品である「ジュート」(麻の一種)素材のバッグの、デザイン、製造から販売までを手がける山口絵理子さん。バングラディシュ留学中の「ジュート」との出会いから、会社設立、バッグを日本で販売するまでについてお話をいただきました。



「ジュート」を扱うことになったきっかけは?

2年ほど前、大学を卒業後にバングラディシュの夜間大学院に留学しました。昼間は日本の総合商社のダッカ事務所でスタッフとして勤務していたのですが、仕事で現地の中小企業フェスティバルに行く機会がありました。そこでバングラディシュの名産品で海外への輸出品でもある「ジュート」を知り、日本向けに輸出ができないかと興味を持ったのが「ジュート」との出会いでした。「ジュート」は麻の一種で、通気性にすぐれているため、中世の時代からコーヒーや農産物の袋として使われていて、世界のジュートの90%をバングラディシュ産が占めています。加工技術も優れていて、ジュートを素材として品質の高い商品が作れるのではないかと思いました。

なぜ、自分でデザインから製造、販売までを手がけることになったのですか?

最初は、総合商社での新規事業として企画を立てたのですが、どうしても大企業で扱うビジネスとしては採算性の面から厳しく実現しませんでした。そこで、私自身のビジネスとしてジュート素材のバッグを作ろうと決意しました。まず、バングラディシュのジュート工場をバッグのデザイン画を片手に回ったのですが、当然のことながら外国人の大学生と取引してくれる工場はありませんでした。しかもサンプル作品の製造代金を先に支払って、そのまま相手は行方不明・・・ということもありました。一般的に海外の企業は工場での安価での製造のみを追及している事が多いのですが、私は高い品質の商品をビジネスとして扱いたいと考えていました。

「私は高い品質の商品をビジネスとして扱いたいと考えていました。」

苦労と試行錯誤の結果、商品としてバッグが出来上がったのですね。

工場を回っている時、ラッセルさんという方が経営する工場に出会いました。彼はお父様がバングラディシュの社会起業家で、工場の利益で学校まで作った素晴らしい方なんです。ラッセルさんご自身もオーストラリアに留学しMBA(経営学修士)をお持ちで、工場の従業員がゆっくりできる休憩室を作りたい、と労働環境の整備や品質の向上に意欲的な経営者です。ラッセルさんが、私の企画や思いに共感してくださり、取引いただけることになりました。試作品の製造とダメ出しを繰り返し、一時は工場の従業員の反感を買ったこともありました。その時は、プロとしての仕事を従業員の方々にはして欲しい、という思いを伝え続け、その結果、モチベーションを持ってお仕事をいただけるようになりました。
今年の1月、大学院を終えて完成品のバッグ160個とともに日本に帰国しました。

日本での販売はどのようにされたのですか?

まず、自分でホームページを作り、ネットで販売できるようにしました。バングラディシュ滞在中から、バッグの製造にいたるまでの過程をブログで公開していたところ、ブログの読者からお申し込みをいただいたりしました。ブログには応援のコメントも日本からいただき励みになりました。他に日本でデパートなどの店舗に直接営業に回り、販売いただいています。何も人脈はなかったのですが、商品のよさをわかっていただいた店舗が置いてくださることになりました。おかげ様で店舗での販売も順調です。

profile

山口 絵理子 (やまぐち えりこ)

慶應義塾大学総合政策学部卒業、ワシントン国際機関でのインターンを経てバングラデシュBRAC大学院開発学部修士課程入学。現地での2年間の滞在中日本大手商社のダッカ事務所にて研修生を勤め、夜間の大学院に通う。2年後、帰国しビジネスを通じた国際貢献を実践すべく株式会社マザーハウスを設立。


【(株)マザーハウス】

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