Happyエデュケーション「神谷加代のコラム:教育とIT」第3回 学研教育アイ・シー・ティー インタビュー(前編)小学校のタブレット学習

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【カテゴリ】学習・知識
【Happyデジタル記者】神谷加代
 
 

「学研まんが日本の歴史」、「学研まんがひみつシリーズ」「頭脳開発ドリル」「学研の図鑑」など、誰もが子どもの頃手にしたことのある教育コンテンツを世に送り出してきた株式会社学研ホールディングス(以下、学研)。親から子、さらには孫の世代まで親しまれる老舗教育企業です。

同社はこれまでも家庭向けのデジタルコンテンツや教育機関向けのICT支援事業を推進してきましたが、昨年11月に「学研教育アイ・シー・ティー」を設立、さらにその動きを明確化しています。国は現在、2020年を目標に公立の小中学校へタブレット端末を整備する計画を進めていますが、学研教育アイ・シー・ティーはこの施策に合わせて様々なサービスの提供を開始しています。またスマホやタブレットの普及に伴い、家庭でもデジタルコンテンツを活用する機会が増えてきていることから、家庭向けのコンテンツにも力を入れています。

では、学校でタブレットを使った授業とはどのようなものでしょうか? 前編では、学研教育アイ・シー・ティーが東京都品川区でスタートしている実践事例をご紹介します。

お話ししてくれた方
株式会社学研教育アイ・シー・ティー 教育プロデュース部 学校営業課 営業企画リーダー
石原光一さん

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▲左:株式会社学研教育アイ・シー・ティー 教育プロデュース部 
学校営業課 営業企画リーダー 石原光一さん
 右:同 コンテンツ開発部教材制作室デジタル教材リーダー 中島隆司さん

 
Happyデジタル 神谷:
学研教育アイ・シー・ティーが品川区の小中学校で取り組んでいる内容を教えてください。

石原さん:
品川区では、2014年度9月から小学校8校、中学校2校の全児童生徒にタブレット端末を1800台配備し、「品川区トータル学習システム」の実践をスタートしています。このタブレットに導入されている学習コンテンツ、デジタル辞書・百科事典、学習管理システムなどを学研が提供しています。品川区では、おもに家庭学習で活用できる教材をタブレットで利用することで、自宅学習の習慣化や学力向上などを目指しており、長年、教育分野で実績のある当社がお手伝いすることになりました。

神谷:
具体的に、タブレットに導入されているのはどのようなサービスですか?

石原さん:
「ニューコース学習システム」「ニューワイド教材ライブラリ」という2つのシステムを導入しています。品川区では、家庭学習でのタブレット利用をメインにしていますが、自宅にネット環境がなくても使えるように、ローカルで動くアプリとして導入しました。学校へ来れば、学校の専用回線に繋がって自宅で学習してきたデータが更新される仕組みになっています。

神谷:
「ニューコース学習システム」が、子どもたちがメインで使うサービスですね。これは、どのような学習ができるのでしょうか?

石原さん:
「ニューコース学習システム」には、国語・算数(数学)・理科・社会(小学1,2年は、国語・算数。中学には、英語が加わる)の各学習項目につき、要点解説ムービー、要点整理カード、要点チェックドリルが設けられています。各項目の要点を1〜2分の動画を見て理解し、要点整理カードで内容をチェックします。重要な語句にタッチでめくれる付箋が貼ってあり、クイズ感覚で取り組めるような工夫をしています。その後、一問一答式のチェックドリルで理解度を確認します。制限時間以内で解く確認テスト、各学習項目に用意されているプリント教材など、デジタルでもアナログでも学習することができるようになっています。

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▲クイズ感覚で学習内容が確認できる付箋機能つき。
「?」の部分には重要な用語が隠れていて、タッチすればめくれる仕組み。

 
神谷:
なるほど。「動画を見て➝内容を簡単にチェックして➝ドリル・テストで理解度を確認する」という流れで学習ができるわけですね。これだったら、家庭学習にもすんなり入っていけそうですね。

石原さん:
そうですね。学習にデジタルを生かすメリットは、紙の教材と違って何度もトライしたり、映像などを使って短時間で理解できたりすることだと思います。子どもの理解度に合わせて活用してほしいですね。

神谷:
もうひとつの「ニューワイド教材ライブラリ」はどういうものですか?

石原さん:
国語・算数(数学)・英語はもちろん、社会や理科などの調べ学習や、グループで課題に取り組む活動(協働学習)の際に使える学習ライブラリです。「ニューワイド学習百科事典」、「新レインボー小学国語・漢字辞典」、「マルチメディア図鑑」「小学理科実験図鑑」などのコンテンツのほか、動画や音声などのリッチコンテンツが5万点以上ライブラリに入っています。

神谷:
学研さんがこれまでの歴史の中で蓄積されてきた良質のコンテンツが集められたというわけですね。子どもたちが見入ってしまいそうな面白い動画も多いですね。

石原さん:
そうですね。この教材ライブラリには、多様な検索機能が付いているのが特徴です。“いつ?” “どこ?” “だれ?” “なぜ?” などの目的別、また理科、音楽、図工など教科別に調べたりすることも可能です。すべての辞書や事典、動画や音声ファイルを串刺し検索して、横断的に活用することも容易にできます。

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▲科目別、目的別、串刺し検索など様々な方法で検索が可能。

 
神谷:
これだったら家庭で調べ学習をする時も、余分な情報が表示されないので安心して検索させることができますね。最後に今後の展開をお聞かせください。

石原さん:
品川区にご提供している学研のサービスは、現場の先生の声を聞きながら一緒に作っていこうというスタンスで進めています。ですので、今後も現場の先生の意見に耳を傾けながら、より良い学習サービスを作っていきたいと考えています。

〜取材(前編)を終えて〜
学研といえば雑誌「科学と学習」をイメージしてしまう団塊ジュニア世代の私。昔から学研の科学コンテンツには親しみと信頼を持っています。今回の取材で、デジタルになっても、コンテンツへのこだわりが感じられ、さすが老舗教育企業だなと思いました。理科の動画なんて、子どもに毎日でも見せたいくらいです。

インタビューは【後編】に続きます。次週は「学習アプリ」について、開発担当の方のお話をご紹介します。ぜひご覧ください。
 
 

【Happyデジタル記者】神谷加代
ライター&ブロガー。主に教育ICT関係の記事を執筆。ママと子どもが一緒にリテラシーを高めてくような使い方やアプリに興味があり、ブログなどで情報発信したり、主婦×教育×ICTプロジェクト『ママプリ』で活動中。小学生2児の母。著書に『iPad教育活用 7つの秘訣』

この記事を書いた人

Happyデジタル編集部
Happyデジタル編集部Happy Digital Editor
好奇心旺盛なHappyブロガーたちの日々の出来事、家電やスマートフォンをはじめデジタル関連のレビューです。

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