Happyエデュケーション「神谷加代のコラム:教育とIT」第4回 学研教育アイ・シー・ティー インタビュー(後編)学習アプリ

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【カテゴリ】学習・知識
【Happyデジタル記者】神谷加代
 
 

前回の記事では、学研教育アイ・シー・ティーが東京都品川区で取り組むタブレット学習の実践の内容をお伝えしました。今回は、同社が手がける学習アプリについて、開発を担当された方のお話を紹介したいと思います。

前編でもお伝えしましたが、学研教育アイ・シー・ティーは2014年に設立された株式会社学研ホールディングスの子会社です。同社は教育ICTの事業説明と学研グループの各社コンテンツ・システム・ノウハウを集約し「学校・家庭・塾」に向けサービスを提供するために誕生しました。長年、家庭や学習塾で親しまれてきた学研のコンテンツが、スマホやタブレットでも利用できるとあって、家庭学習でも役に立ちそうです。

お話ししてくれた方
株式会社学研教育アイ・シー・ティー コンテンツ開発部 編集長 船城英明さん

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▲株式会社学研教育アイ・シー・ティー コンテンツ開発部 編集長 船城英明さん

 
まず、学研教育アイ・シー・ティーで発売されているアプリを一部紹介します。学研の定番辞書や、幼児に人気の頭脳開発ドリル「ちえのおけいこ」、宮本算数教室の教材、語学学習教材など、どれも内容にこだわったアプリばかりです。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

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学研の頭脳開発シリーズ「ちえのおけいこ5歳」
【App Store】
【Google play】
【Kindle Fire】

 

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宮本算数教室の教材「賢くなる算数」(iPad専用)
【App Store】

 
 
 

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辞書・事典「新レインボー小学国語・漢字事典」
【Windows Store】

 
 
 

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語学三昧シリーズ「話して覚えるえいご三昧」
【App Store】

 
 
 
 
Happyデジタル 神谷:
学研教育アイ・シー・ティーが「ちえのおけいこ」のような、幼児向けの紙のドリルをデジタル化されたのは、どのような理由からですか?

船城さん:
幼児のうちからデジタルで学ぶことについては賛否両論がありますが、現実的には、今、デジタルに触れる世代はどんどん低年齢化しています。ご家庭で、スマホやタブレットでアプリをダウンロードし、子どもたちの学習に活用している方も多いでしょう。しかし、子どもたちが触れる学習アプリの質はどうでしょうか? 教育の視点からきちんと考えられたものを、子どもたちは使っているでしょうか? このような環境の中、子どもの発達段階に合わせ、体系的に考えられたデジタルコンテンツを提供することもまた、教育に携わる私どもの役割であると考えています。

神谷:
確かにそうですね。今、学習アプリがたくさんありますが、保護者としては何を基準に良し悪しを判断してよいのか分からないことが多いです。とりあえず、子どもたちが好きそうなもの、興味がありそうなものを選んでいる方って多いのではないでしょうか。

船城さん:
おそらく、みなさんそのような感じでアプリを選ばれていると思うのですが、子どもたちが学習で使うアプリは、教育的な視点で考えられたものも選んで欲しいと思っています。アプリは簡単にコンテンツが手に入り便利ですが、教育とは関係のない業種からの参入も多くあります。そのこと自体は、新しい発想を取り入れ、可能性を広げるという意味でとても良いことですが、様々な質のものが混在していることは否定できません。私どもには、既に何十年と培ってきた実績のあるノウハウとコンテンツがあり、それをデジタルに生かした形で提供することができます。安心して使って頂ける学習アプリとなるよう心がけています。

神谷:
学研さんは、来年で会社創立70周年。いわば、70年間の蓄積されたコンテンツとノウハウがあるわけです。保護者の立場からすれば、学研さんのコンテンツであれば安心して選べそうですね。具体的に学研さんの学習アプリではどのような特徴があるのですか? 紙のドリルにはない特徴があるのでしょうか?

船城さん:
私どものアプリは出版物を元にしたものが多いのですが、アプリではデジタルの特性を生かしたものになるように工夫しています。例えば、幼児用アプリの「ちえのおけいこ」では、タップやドラッグなどのタブレット操作にまだ慣れていない子どももいますので、どのような操作が最適か、一問一問検討を行い、モニタリングを重ねて操作性の部分を作りこみました。また、イラストのアニメーション化、問題文の読み上げや解答の自動判定などの学習補助機能、ごほうびのシールやメダル、キャラクターの声掛けといった達成感やモチベーション維持につながる仕掛けなども、インタラクティブ(双方向)性を持つメディアであるデジタル教材ならではの特徴だと思います。

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▲「ちえのおけいこ」アプリ。音声やアニメーションなど
デジタルのメリットを生かした内容になっている。

神谷:
なるほど。いろいろ考えて作られているわけですね。

船城さん:
我々は紙とデジタルのどちらかだけを推奨しているわけではありません。それぞれに特色があり、メリット・デメリットがあります。例えば、紙の場合はえんぴつを持つことによって手先の器用さを鍛えるメリットがあります。筆圧の感触を味わうことも大切です。そうしたことから、それぞれの特性に合わせた教材を作ることが大切だと考えています。

神谷:
宮本算数教室の教材「賢くなる算数」アプリも同じようにデジタルの特性を生かしているのでしょうか?

船城さん:
そうです。算数の場合は、自動採点ができるので同じ時間内でも多くの問題に取り組むことができます。また、デジタルに対する子どもたちの関心は高く、集中力も続く傾向にあります。学習履歴の管理や閲覧が容易なこともデジタルの特性です。ただし、正解することが一番大切なことのように考えて問題を解いてしまいがちなので、間違った問題はなぜ間違ってしまったのかを考えさせる必要があります。そういう意味で学力の定着をはかるためには、工夫が必要になります。

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▲宮本算数教室のアプリ。手書きメモ機能、タイマー機能、
自動採点、履歴・ポイント管理などアプリならではの学習が可能。

神谷:
デジタルを使った学習では、保護者がその特徴をよく知って使わせることが大切なようですね。

船城さん:
今の子どもたちの学習は、デジタルだけ、アナログだけ、というように決めつけてしてしまうのではなく、目的によって“使い分ける”ことが大切だと思うのです。その時々のお子さんの状況に応じて、紙とデジタルを選び分けられるといいですね。

神谷:
わかりました。今後も学研さんには、アプリの種類を増やしてほしいですね。

船城さん:
今後もコンテンツを増やしていく予定でいますので、ぜひ、ご期待いただければと思います。

〜取材を終えて〜
取材を通じて学研さんのコンテンツへのこだわりがとても感じられました。実は、我が家の娘は、幼稚園のころ、学研アプリの「えいごずかん」にお世話になっていました。とても丁寧に作りこまれたアプリで、娘にも安心して与えることができたのを覚えています。
 
 

【Happyデジタル記者】神谷加代
ライター&ブロガー。主に教育ICT関係の記事を執筆。ママと子どもが一緒にリテラシーを高めてくような使い方やアプリに興味があり、ブログなどで情報発信したり、主婦×教育×ICTプロジェクト『ママプリ』で活動中。小学生2児の母。著書に『iPad教育活用 7つの秘訣』

この記事を書いた人

Happyデジタル編集部
Happyデジタル編集部Happy Digital Editor
好奇心旺盛なHappyブロガーたちの日々の出来事、家電やスマートフォンをはじめデジタル関連のレビューです。

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