※ご所属、肩書きはインタビュー当時のものです。
子供向けウェアラブル端末「ドコッチ」、居場所確認に熱中症、風邪予防まで!
2015年4月に株式会社NTTドコモより発売された、国内初のウェアラブル端末を使った子供向け見守りサービスの「ドコッチ 01」。子供たちがウェアラブル端末を身につける時代が遂に来た?! ドコッチの詳しい機能について、お話を伺いました。
今回お話をしてくれた方
左:白石誠二さん NTTドコモ M2Mビジネス部 コンシューマM2Mビジネス スマートホーム担当
右:村山啓二郎さん M2Mビジネス部 コンシューマM2Mビジネス担当部長
「子供を安全に見守りたい」という保護者のニーズに応えた製品開発
Happyデジタル 神谷:
ドコッチがどういうものか教えてください。
NTTドコモさん:
主に子供を対象にした腕時計型のウェアラブル端末です。国内で初めてウェアラブル端末を使用した見守りサービスとなります。子供は腕時計と同じような感覚で使え、保護者の方には居場所の通知やSMSを通じた連絡などが簡単にできるようになっています。
▲ドコッチのカラーは2種類。
ベルトはリバーシブルで、市販品とも交換可能。
神谷:
キッズ携帯とは違って、ドコッチのようなウェアラブル端末だと、常に身に付けておけるので良いですね。子供たちがキッズ携帯を置き忘れたり、紛失したりする話もよく聞きますので。
NTTドコモさん:
その通りです。この製品が生まれたきっかけはそこにありました。キッズ携帯を利用されているお母様方にヒヤリングをしますと、子供が低学年や未就学児の間は「携帯をどこかに忘れてきた」「携帯をなくした」などの声を多く聞きました。そこで、ドコッチのメインターゲットは、「携帯までは必要ない」「まだ携帯は持たせたくない」と考えている保護者で、「でも子供の安全は見守りたい」という層に絞りました。だいたい、幼稚園〜小学校低学年くらいでしょうか。
神谷:
ドコッチの機能について教えてください。
NTTドコモさん:
キッズ携帯と同じようにGPSを搭載していますので位置確認ができます。ドコッチの場合は「イマドコサーチ」サービスをご利用頂けば、お子様の居場所がいつでも、親のスマホやPCから確認することができます。
ほかには、「加速度センサー」「温湿度センサー」を搭載し、ウェアラブル端末の特性を生かして、子供の活動の様子や、居る場所の状況が分かるようにしました。加速度センサーは、子供の動きを感知し、温湿度センサーは、周囲の気温や湿度を測定します。これらの2つの情報を判断して、「子供が長い間、熱い場所で遊んでいますので、熱中症にならないように涼しい場所に入り、水分をとるようにメッセージを送りましょう」等というようなメッセージを親のスマホなどに表示するようにしました。
神谷:
それは、保護者としては助かりますね。夏場は特に熱中症など心配です。ところで、実際に子供の様子などがメッセージとして送られてくる画面はどのようなものでしょうか?
NTTドコモさん:
こちらの画面になります(↓下記の写真参照)。保護者の方は、スマホ、タブレット、PCなどから、子供が居る場所の状況と活動をチェックすることができます。兄妹2人でご利用される時は、2人別々のデータを見ることが出来ます。
▲子供活動内容と気温や湿度などの周辺状況の様子が確認できる。
子供からのコミュニケーションツールを定型文に絞った理由とは
神谷:
ほかには、どのような機能があるのでしょうか?
NTTドコモさん:
SMS(ショートメッセージ)を使ったコミュニケーションができます。「いまからかえる」「わかった」など、予め定型文を12個登録してあり(最大20個の定型文を登録可能)、子供はそれを選ぶだけで親のスマホにメッセージを送ることができます。一方、保護者は自由な文章を子供に送ることができますが、電話は使えません。今のライフスタイルでは親と子供がタイミングを合わせて電話でつながるのも難しいのではないかと考えました。
▲予め登録されたメッセージを選んで、
送るだけ。子供は入力する必要ナシ。
神谷:
そうですよね。親が仕事中や外出中など、子供と電話で話しをするのが難しい時がありますからね。
NTTドコモさん:
万が一の場合に備えてSOSボタンを設けました。このボタンを押せば、予め登録したスマホへ(最大6人)連絡されるようになっています。また、迷子予防の機能もあり、Bluetoothでペアリングしたスマホと離れた場合は、スマホとドコッチへ離れたことを伝える通知されます。
神谷:
ドコッチの金額を教えてください。月々の利用料などはいくらになりますか?
NTTドコモさん:
本体が7,800円(税抜)で、回線利用料が500円/月にドコッチサービスという、これまでご説明した機能のサービスが280円/月で月々合計780円になります。
また、居場所を検索する「イマドコサーチ」を利用する場合は、探す側(親側)に200円/月が掛かります。
神谷:
嬉しいお手頃価格ですね。では最後に、今後の展望を聞かせてください。
NTTドコモさん:
今は、メインターゲットを子供にしていますが、シニア層向けにも活用できると考えていますので、利用者を広げていきたいと思います。また親に子供の状況を知らせる際に、もう少し細かい情報を表示したいと思っています。例えば、昨年話題になった、「セアカコケグモ」や「デング熱」などの情報を地域別に提供できれば、もっと利用シーンが増えるのではないかと考えています。
▲時計のデザインは5パターンから選択可能。
〜取材を終えて〜
ウェアラブル端末ドコッチ、子供が紛失したり、置き忘れたりする心配がなく役立ちそうですね。子供たちも腕時計だったら、背伸び感が味わえて、毎日でも着けてくれそうです。キッズ携帯を持たせようかと考えている保護者の方にとっては、ひとつ選択肢が増えたのではないでしょうか。