Happyエデュケーション「神谷加代のコラム:教育とIT」第7回

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【タイトル】日本最大の教育専門展「教育ITソリューションEXPO」に行ってきました!
【カテゴリ】学習・知識
【Happyデジタル記者】神谷加代
 

文科省は現在、2020年を目標に、全国の公立小中学校の児童生徒すべてにタブレット端末を一人1台整備する施策を進めています。この施策によって盛り上がっているのが “教育ICT” と呼ばれる市場です。そんな中、5月20日〜22日の3日間 教育ICT分野で最大規模といわれる教育専門展「教育ITソリューションEXPO」が東京ビックサイトで開催されました。いったい、どんなイベントなのでしょう? その模様をお伝えしましょう。

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教育ITソリューションEXPOは、毎年、教育ICT分野でさまざまなソリューションをもつ企業が関連のソリューションを展示するイベントです。第6回を迎えた今年は、620社も出展し、2万7000人もの教育関係者が来場しました。今後、教育ICTの市場は現在の約3倍になるという市場予測もあり、新規参入の企業が増えているのです。

電子教科書が2016年に変わる!

今年の教育ITソリューションEXPOで注目を集めたのは、教科書会社12社が集まった協同コンソーシアム「CoNETS」(コネッツ)のブースでしょう。今までデジタル教科書は、教科書会社がそれぞれ開発を進めており、インターフェースや操作方法が異なっていました。それが、12社がコンソーシアムとしてまとまることで、デジタル教科書の共同開発を目指すといいます。

このような動きの背景には、政府が2016年にデジタル教科書の解禁を検討していることがあります。現在、小中学校では「紙」の教科書は無償で配布されていますが、デジタル教科書は無償ではありません。そのためデジタル教科書を使用する場合は、各教育委員会や私立学校などは独自に購入する必要がありました。この制度が、2016年に見直されようとしています。

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▲教科書会社12社が結成した協同コンソーシアム「CoNETS」

 

日本でも盛り上がりを見せ始めたSTEM教育!

去年と比べて出展ブースが増えたのは、STEM教育関連の分野ではないかと思います。みなさんは、“STEM”という言葉を聞いたことがありますか? STEMとは、Science(化学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字をとった言葉で、いわゆる理数系の科目を指す言葉です。

アメリカやヨーロッパなどでは、ITエンジニア不足が大きな社会問題になり、政府主導でSTEM教育を強化する国が増えています。日本の学校現場では、まだそのような動きはありませんが、日本も諸外国と同じようにITエンジニア不足の問題が深刻化しているため、今後STEM教育を強化するような動きが出てくるかもしれません。実際に、塾やプログラミングスクールなど民間の教育機関では、STEMと謳った学習コースが出始めたり、プログラミング学習を提供するところも増えています。

教育ITソリューションEXPOでは、プログラミング学習の教材が多くありました。プログラミングの学習といえば、デスクトップコンピュータで専門的な用語をキーボードで入力するようなイメージが強いかもしれませんが、会場に出展されていたのは、タブレットでプログラミングを学べるものが多かったです。

ほかにも、学校で使える3Dプリンター、ITを使った理科実験のソリューション、ロボットを使ったプログラミング学習など、STEM教育に関するブースが増えていました。今後、お子さんが通う学校でも、このような学習が導入されるかもしれません。

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▲タブレットでプログラミングが学べるもの

 
もうひとつ、今年の教育ITソリューションEXPOで特徴的だったのは、遠隔授業のソリューションを展示しているブースが多かったことです。

遠隔授業といってもピンとこない人が多いかもしれませんが、今年の4月から全国の高校で遠隔授業が正式な授業として認められるようになりました。過疎地域や離島では教員不足が深刻化していたり、地方では学校の統廃合によって通学困難な生徒らが出たりしています。こうした問題を解消するためにICTを活用した遠隔授業が正式に単位として認められるようになったのです。離れた学校と学校をネットでつなぎ、それぞれの教室を映像で写すなどして学習を進めていけるようになっています。

こんな風に教育ITソリューションEXPOの会場には、教育とITをテーマにした最新の学習ソリューションが展示されています。し・か・し! これらがすぐに公立の小中学校に導入されるかどうかは別問題です。いくら政府がタブレット端末を小中学校に導入するといっても、その進み具合は、地域によってかなり差があるのが現状です。家庭では、教育分野でこのようなIT化の流れがあるのを知りつつ、子供たちのIT力を伸ばすために親ができることを見つけていくのが良いのかな、と思ったりもしています。
 
 

【Happyデジタル記者】神谷加代
ライター&ブロガー。主に教育ICT関係の記事を執筆。ママと子どもが一緒にリテラシーを高めてくような使い方やアプリに興味があり、ブログなどで情報発信したり、主婦×教育×ICTプロジェクト『ママプリ』で活動中。小学生2児の母。著書に『iPad教育活用 7つの秘訣』

この記事を書いた人

Happyデジタル編集部
Happyデジタル編集部Happy Digital Editor
好奇心旺盛なHappyブロガーたちの日々の出来事、家電やスマートフォンをはじめデジタル関連のレビューです。

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