子供たちの五感を刺激するような、楽しいプログラミング学習の場を:橋爪香織さんインタビュー(後編)

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親子でタブレット

株式会社チェリービット 代表取締役 橋爪香織さんへのインタビュー後編です(前編はこちら)。メーカーに在職中からAndroidに触れ独立、現在はAndroidアプリ開発・コンサルティング、プログラミング技術研修・子供向けワークショップなどの仕事するかたわら、子供たちにバスケットの指導もされるという多彩な才能をお持ちの橋爪さん。後編は独立後の仕事内容やプログラミング教育への想い、そして将来の夢について語っていただきました。

ご自身の著書「5才からはじめる すくすくプログラミング」 を持つ橋爪さん

▲ご自身の著書「5才からはじめる すくすくプログラミング」を持つ橋爪さん

起業後は失敗を恐れず新たな分野にもチャレンジしてきました!

戸田:
独立後は実際に開発のお仕事もされていらっしゃるのですか?

橋爪さん:
企業さんから子供向け教育アプリのお話しをいただき、そのプロジェクトメンバーに加わりました。実際にコードを書いていたのはベトナムの開発チームでしたが、その中で私はプロジェクトマネージャーやブリッジとして関わる仕事をやっていました。

主婦が子育てをしながら、がっつり請負開発の仕事をするのはなかなか難しいことです。ですので、起業してからは、そのような要件定義からリリースまでをサポートするプロジェクトメンバーやブリッジのようなお仕事は積極的に受けています。

戸田:
それはいいですね。会社員時代からそのような要素のある仕事をやっていたのでしょうか?

橋爪さん:
今やっている仕事の内容は、実は会社員時代にそんなにしてきませんでした。でも、たまたまそういう機会に恵まれたので、経験は少ないけれど失敗をしてもやってみよう、サポートを受けながらでも頑張ってみようと一歩踏み出すことで、それが経験となり次の仕事に繋げるというサイクルを作っています。

戸田:
まさに「失敗を恐れずに!」ですね。プロジェクトマネージャーはコミュニケーションが大切なので、これまでいやな思いもしたことがあるのでは? そこを乗り越えてきていらっしゃるのはすごいスキルだと思います。

橋爪さん:
まだまだ勉強中です! でもこの仕事は家族がいるからこそできるところもあるんです。一人で悶々と考えているとストレスが溜まってしまいそうですが、なんでも話を聞いてくれる家族に救われている部分もあるかもしれませんね(笑)。

戸田:
それに育児や家事をしていると細かいことまで気にしていられないし、そんな時間ももったいない(笑)。

橋爪さん:
そういった意味でも、女性はコミュニケーションスキルが高いので、このような職種や講師業などは向いているのではと思います。

将来は学童保育のような空間でプログラミング遊びを経験させてあげたい!

戸田:
小学生のプログラミング教育の必修化についてどのようにお考えでしょうか?

橋爪さん:
私は子供達を将来有能なプログラマーに育てるためにこの仕事をしているわけではなく、プログラミングとはあくまで何かの目的を達成するための手段のひとつだと考えているので、そのつもりで子供たちに伝えています。ScratchJrはもっとハードルが低く、家族や友達などの狭い範囲の中でのコミュニケーションツールだと思っています。

だからプログラミングを学んだら頭が良くなるとか、将来出世するとか、技術が身につくとか、そのような理由で教えているのではありません。これから先日本でこのような流れになっていくのは確実だと思います。私のような考えは少数派かもしれませんが、この想いは常に伝えていきたいですね。
私がプログラミング教育をやりたいと思ったのは、前にお話しした通り、ロボットプログラムを教えた時に感じた小学生たちのイキイキとした表情がとても良かったからというのが根底にあるので、そこをブレないように私自身頑張っていかなくてはと思っています。

戸田:
私もそう思います! 私も今後のプログラミング教育に対する流れを危惧している部分もあったので橋爪さんのお話しを伺ってこれまでモヤモヤしていたものが解けました。

ところで、今年のこどもの日は「Hour Of Code)」のイベントが全国的に開催されていましたが、何か子供向けの講習をされましたか?

橋爪さん:
実は私、バスケットの少年団の指導者もしているんです。ですので、その日は合宿の真っ最中でした(笑)。それ以外にも「CoderDojoさいたま)」のチャンピオン(代表)もしており、5月14日には世界的なScratchのお祭りであるScratchDay)をCoderDojoさいたまでも開催しました。子供たちには色々な経験させてあげたいので、自分が持っているスキルは全て子供たちに教えていきたいと思っています。

戸田:
多彩ですね! それでは最後に今後のScratchJrとの関わり方や活動、目標などありましたら教えてください。

橋爪さん:
プログラミングの書籍を執筆し、関連動画も出して、年に数回ワークショップを開催していることに関してこれ以上求めることはありませんが、将来、地域に密着した学童保育のような場で今まで私が触れてきた、子供たちの五感を刺激するような面白いプログラミング遊びができるような空間を作りたいと考えています。

机を並べて、「さあ、プログラミングの勉強を始めましょう!」ではなく、子供たちがゆるーく集まって、ゆるーく新技術に触れ合えるようなそんな空間をイメージしています。そこには有識者がいて指導するというより、子供たちの質問にいつでもサポートできるような…そのような空間を作ることが私の目標です。

戸田さん:
素晴らしいですね! これからのますますのご活躍を期待しています。橋爪さん、ありがとうございました。

インタビューを終えて

最近「子供たちにプログラミングを学ばせるべき…」といった類のコラムを多く目にするようになりました。そう言った強制的な論調や、教育評論には少し疑問を感じていたところでした。
「子供たちに、プログラミングを通じ創造力を培って欲しい」という橋爪さん思いに、とても共感! わくわく感が溢れる橋爪さんの今後の活動に、期待したいです。
(戸田江里子)

この記事を書いた人

なお
なおNao
Happyデジタルの編集を担当。静岡県在住。
パソコン講師・情報教育アドバイザー・メルマガ&ブログライターを経て現職。
女性・シニア向けのパソコンサロンを開催。自分史活用アドバイザー。
趣味は映画観賞、読書、旅行。スマホ好きが高じて、現在プログラミングを勉強中です! 

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