シリコンバレーで女性の再就職支援に取り組む☆ダイアン・フリンさんインタビュー

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ダイアン・フリンさん1

シリコンバレー発!女性の再就職支援プログラム

カリフォルニア州シリコンバレーで女性の再就職を支援する「リブート・プログラム」が、注目を集め始めています。アメリカでも子育てや個人の事情でいったん仕事を離れた人たちの復職は、休職の期間が長ければ長いほど難しいのが現状です。

そのような女性たちに必要なツールを与え、クラブ組織でサポートするプログラムが支持され、その活動の拠点が広がっています。リブート・プログラムは、どんな方たちが参加し、どんな内容で構成されているのかを、GSV labs Reboot Career Accelerator for Women共同創設者でCMO(マーケティング最高責任役員)のダイアン・フリンさんに伺ってみました。

リブート・プログラムとは?

GSV labs Reboot Career Accelerator for Womenは子育てやそのほかの事情でいったんキャリアを離れた女性たちが、現代の職場環境に再復帰して、すぐに即戦力となるために必要なスキルを短期間で習得することを目指し、2015年2月に発足しました。5日間の集中プログラムや、8週間のコースなどいくつかのコースがあります。

現在、アメリカの主要大都市(サンフランシスコ、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、シアトルなど)で行われています。内容は

  1.  今職場で活用されているテクノロジー
  2.  仕事探しのために必要な履歴書のトレンドやLinked Inアカウントの活用
  3.  ネットワーキングの方法
  4.  プレゼンテーション・スキルのつけ方
  5.  仕事と人生のバランスを保つ方法

など。参加費用は、$795からです。

また、プログラムを終了、未終了に関わらず、就職を目指す女性たちのクラブ組織Club Rebootがあり、さまざまなワークショップやネットワーキングイベントを行っています。登録費用は$30/月。これには毎月行われている継続教育イベントやネットワーキングイベントへの2回分の参加費用が含まれています。

プログラム1

▲プログラムの受講風景。受講者の皆さんの表情は真剣そのもの

リブート・プログラムは、私や仲間の体験から生まれました

プログラム2

▲プロの講師から即戦力となるスキルを習得できます

このプログラムは、私自身が15年間のブランクを経てフルタイムで仕事に戻った時の経験と、同じようにキャリアに戻ってきた職場の女性たちからの悩みを聞くことからスタートしました。私自身、子供を持つまではマーケティングの分野で仕事をしていましたが、3人の子育てに集中するためにフルタイムの仕事を辞めました。

学校のボランティアや仕事も少しずつ続ける中で、一番下の子供が中学生になったときに運良く仕事の話があり、シリコンバレーのアクセラレータでCMOとして復職することになったのです。しかし職場環境は大きく変化していて勝手が違うことだらけ(笑)! 大いに戸惑いました。

電子メールやパワーポイントなどを昔は使っていましたが、メールよりはSMS、パワーポイントは箇条書きからよりソフィスティケートに画像へと変わってしまいました。グループでの情報の共有はクラウド上で行われ、コラボレーションの仕方も大きく違いますよね。

私の専門のマーケティング分野では、ソーシャルメディアの使い方がわかっていなければならず、職場の若い世代のスタッフたちがインスタグラムのアカウントを作ってくれたりと、周囲に大いに助けられました。

そんな状況でのスタートでしたが、私の友人たちなどから「復職したいが難しい」と相談を受けることも多くなり、また職場にいる女性たちとも話をする中で、改めてブランクのある女性の復職には助けが必要だと認識しました。幸い私の勤務する会社は、起業家を応援するアクセラレータなので、職場の女性スタッフ4人と私で話し合い、このプログラムを社内に提案して、一事業として発足させることができました。

プログラム3

▲米国では産休、育休制度は存在しないため、キャリアを持つ女性が離職することも少なくないのだとか

女性の復職事情やバックグラウンドは多様、短期のブートキャンプからクラブ組織までをサポート

このプログラムに参加している女性たちの状況は様々です。子育てが終わった人、離婚を経験して仕事を探す人、今までと全く違った仕事をしたい人、起業したい人など、自分のキャリアの再構築を考えている人たちです。

休職歴もまったくない方もいれば20年くらいの方もおり、開きがあります。また参加している女性たちは修士課程を持っている方が参加者の3分の2、と高学歴を占めています。ほとんどの方がキャリアがあったにもかかわらず、いざ再就職先を探し始めるとなると、自分が即戦力として役立てるのか、何らかのアップデートが必要ではないかと不安を持っている方たちです。

そのような多様な参加者たちの要望に応えられるように、プログラムにはさまざまな参加方法を作って運営しています。まずブートキャンプ・プログラムでは、ビジネス環境で必要不可欠なツールや心構えを短期間で集中して学べる内容になっています。

さらに次の段階として、意欲的な起業家や知識を深めたい方に役立つよう個別にテーマを絞ったワークショップを開催しています。例えば「効果的なピッチ(プレゼン)のしかた」「起業の方法」「自分が打ち込める仕事の見つけ方」など、ビジネスに役立つ知識をシェアしていきます。

さらにリブート・クラブというメンバー制のコミュニティを設けており、ワークショップに参加したり、スピーカーとメンバーが交流したり、参加者がお互いを高めあいサポートしあえる場となっています。

アメリカ各地から反響が! 大都市に拠点を増加中

創業から18か月立ちますが、このプログラムの卒業生はすでに500名程います。皆さんからの反響はとてもよく、卒業後に求職活動をしている人の82パーセントは何らかの意義のある仕事に就いています。

また、このプログラムのことを聞いて、遠方から足を運んでくる女性が増え、自分たちの町でもぜひプログラムを開いてほしいというリクエストが来るようになりました。そこで、こうした都市でも少しずつプログラムを計画しており、今年はニューヨークで2日間のブートキャンプをスタートします。シアトルやロサンゼルスにも拠点を設けオープンするなど、活動範囲が広がってきています。
海外各国(インドや中国など)からもすでに同じような関心が寄せられており、このプログラムをフランチャイズ化して海外へも送り出すことも視野に入れています。

・GSV labs Reboot Career Accelerator for Womenについてはこちら
(英文のサイトとなります。)

この記事を書いた人

田中裕美
田中裕美Hiromi Tanaka
就職情報誌編集の仕事に携わっていたところ、米国グリーンカードに当選。95年にシリコンバレーに移住し、Web編集、ローカリゼーションから日本企業のアメリカ市場進出・マーケティング、オンラインショップ構築・運営などIT関連でのさまざまな仕事を行うコンサルタント。プログラマーの夫、ゲーマーの息子、お菓子作り好きブロガー娘と同居中。趣味はゴルフ、ランニング。

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