家事代行サービスから新しい家族の形を実現☆タスカジ 和田幸子さんインタビュー

家事代行サービスから新しい家族の形を実現☆タスカジ 和田幸子さんインタビュー
by 倉井美穂 公開日:2019/11/19 / 最終更新日:2019/11/18
▲株式会社タスカジ 代表取締役 和田幸子さん

仕事に家事にと忙しい私たちの強い味方として最近注目されている家事代行サービス。その中でも1時間1,500円(税込)〜と気軽に頼めることから話題になっているのが家事代行マッチングサイト「タスカジ」です。料金面だけでなく、掃除や料理の作り置き、整理収納、さらに英語が話せるハウスキーパーが登録しているなど多彩なサービスも魅力的。そこで今回は株式会社タスカジ 代表取締役の和田幸子さんに会社設立までの経緯やタスカジにかける思いなどをおうかがいしました。

SE時代の経験がタスカジに結びつきました

Happyデジタル:
タスカジを設立する前はフルタイム勤務のワーママとしてシステムエンジニア(以下 SE)をされていたとお聞きしました。タスカジの業務内容とは一見異なるように思えますが、SE時代のご経験が活かされているのでしょうか。

和田幸子さん(以下 和田さん):
はい、SE時代の経験や知識をフル稼動しているといってもいいほどです。
会社員時代はプロジェクトマネージャーとして社内外の方とチームを作りまとめていました。利害や立場が違う方とよい関係を作りながらアウトプットを出せるよう日々考えていた経験が、今とても役立っています。タスカジさん(家事代行を行うハウスキーパーの呼称)は大切なビジネスパートナーですので、お互いが高めあいながら仕事ができるよう常に気を配っています。

Happyデジタル:
女性の場合、結婚・出産などを経てそれまでと同じキャリアを続けられない方も多いと思います。ご自身もフルタイム勤務の会社員から結婚・出産を経て起業されたわけですが、環境の変化をどのように乗り越えてこられたのでしょうか。

和田さん:
元々新しいことを始めるのが好きなタイプでしたし、一歩進むと次の一歩が見えてきたように思います。少し先の目標を決めて、それに向けて今必要なのは何かを考えるようにしていました。いろいろな選択肢を常に考えていると急にチャンスが来た時にすぐに取りに行けるんです。自分の目標につながるストーリーが見えているとただの“仕事”ではなくなり、やりがいが感じられると思います。

Happyデジタル:
素晴らしいですね! ところで、最初から起業しようと思っていらしたのですか?

和田さん:
会社に入ってみて、自分は何もないところから新しいものを生み出すことに興味があるタイプだと気付きました。そこで起業するために何が必要かと考えた時に、SE的なノウハウやものの見かた、たとえば戦略的な視点やマーケティング知識、営業的なコミュニケーション力などが必須と感じ、総合的な知識を身につけるよう努力しました。そうは言っても20代のころは何をやってもうまくいかなくて挫折することも多かったんです(笑)。ただ、そういう時は気持ちを切り替えて目標を修正するようにしていました。

Happyデジタル:
その切り替え力が今のタスカジにつながるのですね。

▲「一歩進むと次の一歩が見えてきたように思います」と語る和田さん

主婦歴を即戦力にしてキャリアを作る

Happyデジタル:
タスカジの起業にはご家庭での体験も活かされていると伺いました。

和田さん:
はい。タスカジを始める前に、インターネットの掲示板で家事代行をしてくれる人を探せると聞き、見つけて来てもらったことがあるのですが、その時に来て下さったフィリピン出身の方の家事スキルがとても高くて。まだ小さかった息子に日本人以外の方と英語でコミュニケーションをとる環境を作れたことへの満足感もありました。追加でお金を払ってもいいと思えるくらいの付加価値だったんです。

Happyデジタル:
そうした経験を経てタスカジのアイデアが生まれたわけですね。

和田さん:
自分が体験して「いいな」と感じたことはきっと皆さんも同じように感じるに違いない、と。当時、アジア系の方が働くこと=安い労働力というネガティブなイメージがありましたが、全くそのようには思いませんでした。むしろ、英語が話せること、異文化を経験していることは、子供に英語を触れさせる環境にできるなど、家事代行の分野でも付加価値につながると思いました。軌道に乗るまでに時間はかかりましたが「いつか必ずタスカジの時代が来る」と確信していました!

Happyデジタル:
創業当初は外国人のタスカジさんが多かったそうですが、現在は日本人も増えているのだとか。

和田さん:
はい。ずっと主婦をしている方は家事スキルがとても高いのに客観的に評価してもらう場がなく、難しい環境にいらっしゃることが多いんです。そうした方が主婦歴を即戦力として活かせる場がタスカジさんであり、利用者の方から評価をいただくことでさらにモチベーションが上がります。働く=お金だけの関係では気持ちも盛り上がらないですよね。「楽しく働く環境を皆で作る」、「利用者のレビューを通してタスカジさんが成長する」、「タスカジさんが仕事に対して幸せを感じる」、こうしたことがそろうとシェアリングエコノミー全体がうまく回ります。そうできるよう私たちも日々努力しています。

核家族から拡大家族へ、タスカジが目指す未来

Happyデジタル:
タスカジさんの品質はどうやって維持しているのでしょうか。

和田さん:
タスカジさんの仕事は8割がコミュニケーション力、残りの2割が技術力と思っています。応募者の方には独自テストを行ない客観的な評価をしていますし、タスカジさんとしてデビューした後もHP上にその方のスキルや利用者のレビューを掲載し、一人一人がどんなタスカジさんなのかが分かるよう工夫しています。

▲タスカジのHPにはスゴ技をもつタスカジさんの情報がたくさん

Happyデジタル:
一方でタスカジさんどうしが交流するしくみもあるのでしょうか。

和田さん:
タスカジさんがお互いに教えあったり情報交換できる場としてコミュニティや講座を開催したり、オンラインチャットも活用しています。
家事にはその家ごとのルールがあり、クリエイティブなものであると弊社では考えています。そのためマニュアル化した作業を提供するのではなく、利用者の方が相性のよいタスカジさんと相談しながら柔軟に対応するしくみになっています。利用者のニーズは多様なので、いろいろな年代やスキルをお持ちのタスカジさんがいることがサービスの価値だと思っています。

Happyデジタル:
タスカジさんのプロフィールページはそれぞれ個性があって思わずじっくり読んでしまいます。またレビュー記載だけでなく、キャンセル率の表記などもありITツールをうまく使っていらっしゃると感じました。

和田さん:
ありがとうございます。タスカジさんが増えるにつれて利用者の方が自分にあったタスカジさんを選ぶのが難しくなってきました。近い将来AIを使ったリコメンド機能などをうまく活用できたらと考えています。

Happyデジタル:
カリスマタスカジさんの技を紹介した書籍や作り置き四天王と呼ばれるタスカジさんがメディアに登場するなど、活躍の場が広がっていて驚きました。

▲タスカジさんのこだわりテクが分かる書籍がズラリ!

和田さん:
タスカジさんを長く続けていただく中で、より高いスキルを身につけた方をたくさん輩出したいと考えています。その一歩として書籍の出版やメディアでの活躍、タスカジアンバサダーと呼ばれるカリスマ家政婦さんの認定なども行なっています。こうすることでその方のスキルを見える化できるというメリットも。家事代行サービスという職業の認知度や魅力度のアップにもつなげていきたいです。

Happyデジタル:
最後に今後の抱負をお聞かせください。

和田さん:
仕事や育児にと忙しくて家事に手が回らないという方から体力に不安があるシニアの方まで、家事代行サービスにはさまざまな利用パターンがあると思います。家族だけでため込まず、外部からパートナーを呼んでチームで家庭を運営する「核家族から拡大家族へ」をモットーにタスカジを全国に展開していきたいと思います。

Happyデジタル:
どうもありがとうございました!

家事代行マッチングサイト「タスカジ」HP

〜取材を終えて〜
和田さんいわく「起業するプロセスをそばでずっと見てきた息子にとって会社や仕事は身近な存在なのかも」とのこと。小学生の息子さんにはプログラミング的な思考や物事を整理して考える手法も学んでいってほしいと言います。家事や子育てで仕事をあきらめるのではなくむしろ戦力にするしくみ、また家族で家事を抱え込まず誰もが気軽にサポートしてくれる人を見つけられるしくみ…。家庭を持つすべての皆さんに幸せになってほしいという思いが和田さんを動かす原動力になっていると感じました。

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